川のくらし 前編

 

今回は岐阜市

長良川周辺に行ってきました。

 

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清流長良川

透明度が高くて綺麗ですよね。

金華山も見えて、ロケーション抜群です。

 

さて、今回の私のお目当ては長良川うかい

ミュージアムでおこなわれた「うかい歩き」

と、特別展示「いにしえの鵜飼」。

 

鵜飼ばっかりやん!ってツッコミがきそう

ですね。

私は、昨年の6月からずっと鵜飼を調べて

います(岐阜市のではありませんが)。

鵜飼で論文を書くという訳ではないの

ですが、調べたらハマってしまったので、

セカンドワークとして、ずっと取り

組んでいきたいと思っています。

 

なので、これからもたびたび鵜飼

が登場すると思いますが、お付きあい

いただければ幸いです。

 

まずは特別展示「いにしえの鵜飼」

 

 

 ポスターにも使用されている保戸田八幡塚

古墳の鵜が魚を加える埴輪はなかなかの

サイズで驚きました。

羽を表現したような、細かい線も無数に

入っていてすごいですよ。

鵜が魚を捕まえる時って、大抵一度

この埴輪のように胴体を加えてから、一度

離して、頭から呑み込むのですが、その時

の様子が正しく写し取られています。

首ゆい(首に結ぶヒモ)の位置も、

現在の日本の鵜飼と変わりませんね。

面白い!!

 

他にも鵜飼と言われている考古資料

があったのですが、どうも鵜飼か?って

いうものが多くてですね . . . 。

これ以上話すと、趣旨から外れてしまい

ますので、行かれた方がいたら、コメント

で感想を教えてください。

 

ちなみに、文書の史料も数点あって、

考古・文書の双方から鵜飼の源流について

考察されていたのは面白かったです。

 

欲をいえば、まとめた図録的なものが

欲しかった。

 

 

 

さて、やっと本編はじまります。

イントロ長すぎ。

 

うかいミュージアムのイベント「うかいあるき」。

参加者はなんと私一人(笑)。 

VIPですよー。

 

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うかいミュージアム周辺をブラブラします。

高低差があるので、まあまあ疲れる道です。

 

ガイド「今ね川の中歩いとるんよ」

めんぷ「え??」

 

こんなところで川の中歩いてると言われて

なんのことか察した頭のよろしい方は

いらっしゃるでしょうか。

 

取りあえず先へ進みます。

察した方はほくそ笑みながら、読み

すすめてくださいね。

 

街の至る所に

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また扉

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こんな大きい扉も

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こちらは中に扉が収まっているんですね。

全自動なんだそう。

 

古いものだと、

 

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このヘコんだ部分に木の板を差し込んだ

そうです。

 

こんな扉が狭い範囲に、無数にあります。

この扉の名前は 

「陸閘」

こちらは、堤防の中で生活ができるように、

作られた扉で、非常時には全ての扉を閉めて、

外へ逃げます。

 

ここで、先ほどの川の中を歩いているという意味が

お分かりいただけたでしょうか。

 

私が歩いていたうかいミュージアム周辺は、

堤防の中なのです。

 

ここで地形を確認。

 

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アプリ「スーパー地形」より

 

赤く囲ったところが今回歩いたあたりです。

地形図で見ると、ちょっと盛り上がっている

のがわかりますね。

 

長良川は「天上川」といって、周囲の土地

より標高が高い場所を流れている川なので、

高い堤防を築かないと、街が水浸しになって

しまうのです。

 

こちらの電柱には水がここまで来るぞ

という印がついています。

水色のライン。

 

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一階は完全に水の中ですね。あちゃー。

おそらくこのラインは伊勢湾台風

時のものと思われます。

 

川沿いの家だとこんなことも

 

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もう一階部分は沈む前提で、石積み

にしているんですね。

大きい河原石、立派です。

このあたりじゃ、この大きさの石は

取れないので、おそらく上流から

運んできたものと思われます。

 

素敵な河原石の石積みたちを見て

いたら、あれれ。

ここだけ石が違う!

 

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この石はチャートだそうです。

ブラタモリ好きはおなじみのチャート

ですね。

 

ブラタモリの岐阜編では、頑丈なチャート

の上に立っている岐阜城は丈夫だね。

というお話がありました。

 

近くの石で作った石積みということ

ですね。

こちらも強そうで、いいですね。

石積み萌えるわー。

 

こちらは長良橋の手前。

 

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橋の手前が盛り上がっています。

そしてこの盛り上がっている部分に続くのは。

 

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見えにくいですが、こちらの奥に続く

細い道。

 

実は、この盛り上がっている部分が

昔の橋の跡です。

そして細い道は、街道となっています。

 

このあたりのお話は、主にガイドさんに

していただきました。

ガイドさん、タモさんのような地形マニア

でした。

 

ちょっくら地形から離れて、次は鵜飼の

道具のお話。

結構調べてきたので、鵜飼用具について

は私詳しいですよ。

 

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こちらは鵜匠さんの作業小屋。

上には腰蓑用の藁が干してあります。

この写真だとわからないと思うの

ですが、ちょうど腰蓑を編んでおられる

最中でした。

こういう準備はオフシーズンにおこなう

んですね。

 

ちなみに長良川鵜飼は5月11日から

10月15日までです。

今年の夏は鵜飼なんていかがですか。

川の上はちょっと涼しくていいですよ。

 

さて宣伝は置いといて、次は鳥屋

 

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鵜だー!!

こちらの鳥屋籠(鵜が寝る時に入るカゴ)

はフェンスか何かで作られていますね。

 

こういう道具は大概鵜匠さんの自作

なんですよ。 

昔は、竹細工屋さんが編んでくだ

さったんですけど、今竹細工をされる

方がいないので、自作のカゴが増えて

います。

既製品に鵜を入れるカゴなんてあり

ませんからね。

鵜飼のような民俗文化財は、そのもの

だけを保護したところで、それを成り

立たせている、道具とかその周辺部

を守っていかないと、続いていかない

んですよね . . . 。

カゴはなんとか代用できたけど、他の

モノも作り手がいなくなりつつある

ので、なかなか大変です。

 

次は鵜匠さんのお宅。

 

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前庭に木が干してありますね。

これは松割木と言って、篝火に

使うものです。

こうやってしばらく干してから、

 

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 横の用具入れにしまいます。

 

こんなお家も。

 

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家の壁の下の方、あまり見かけない継ぎ方

の板が貼られています。

これは鵜舟です。

鵜匠さんのお家では、舟の材の転用は

しばしば見られる光景。

 

 

うかいあるき、最後は鵜塚へ。

 

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毎年、鵜匠さんが全員集まって、その年

に亡くなった鵜を供養します。

鵜と鵜匠さんの信頼関係を示す、一つの

証拠ですね。

 

 

これにてうかいあるきは終わったので、

うかいミュージアムでご飯。

 

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うかい弁当。鮎の黒酢和えとても

美味しい。

長良川を眺めながら食べる鮎は最高。

 

 

美味しいご飯をいただいた後は、

こちらに行きました。

 

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こちらは岐阜市の直営です。

鵜飼を守る取り組みの一つですね。

 

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こちらの舟、材料は高野槙です。

水に強いため、この材が使われている

そうですが、詳しいことはわかりません。

 

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奥には、水を掻き出すのに使われる、

アカカイという道具も見えますね。

 

舟の作り方は写真をご参照ください。

 

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午前中はここまでということで、

午後の分は後編にまわします。

 

これ以上長いと読む気失せるでしょ。

ということで、前編は以上です。

 

それでは、また!